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名古屋地方裁判所 平成3年(わ)848号 判決 1991年10月08日

本籍

愛知県西尾市宮町一六番地四

住居

右同

繊維製品製造卸売業

早川利男

昭和一四年一月二日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官畝本直美出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年八月及び罰金五〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納できないときは金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判が確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、愛知県西尾市宮町七〇番地において「早川商店」の名称で繊維製品製造卸売業を営んでいるものであるが、自己の所得税を免れようと企て、所得税の確定申告に際し、架空仕入を計上するなどの方法により所得の一部を秘匿した上

第一  昭和六二年分の実際の所得金額が一億二、五〇四万一、三七一円であり、これに対する所得税額が六、六四五万九、五〇〇円であるのに、同六三年三月一四日、同県西尾市熊味町南十五夜四一番地一所在の所轄西尾税務署において、同税務署長に対し、所得金額が、二、三八四万九、一七一円であり、これに対する所得税額が七六一万六、五〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、正規の所得税額との差額五、八八四万三、〇〇〇円を免れ

第二  昭和六三年分の実際の所得金額が一億六、五七四万六、五一四円であり、これに対する所得税額が八、八九八万四〇〇円であるのに、平成元年三月一四日、前記西尾税務署において、同税務署長に対し、所得金額が、三、五九六万三、九一四円であり、これに対する所得税額が一、二八五万五、〇〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、正規の所得税額との差額七、六一二万五、四〇〇円を免れ

第三  平成元年分の実際の所得金額が一億六、二一三万六、四〇六円であり、これに対する所得税額が七、五九一万四、〇〇〇円であるのに、同二年三月一四日、前記西尾税務署において、同税務署長に対し、所得金額が、三、三四六万三、八九七円であり、これに対する所得税額が一、一五七万八、〇〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、正規の所得税額との差額六、四三三万六、〇〇〇円を免れ

もって、いずれも不正の行為により所得税を免れたものである。

(証拠の標目)

判示各事実

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官及び大蔵事務官に対する各供述調書

一  荒川和郎、杉崎芳信の検察官に対する各供述調書

一  本多保裕、早川くに江、竹内文夫の大蔵事務官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料と題する書面

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書(検甲14号を除く)

一  大蔵事務官作成の各写真撮影報告書

判示第一の事実

一  岡部晃の検察官に対する供述調書

一  大蔵事務官作成の証明書(検甲1号)

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲4号)

同第二の事実

一  大蔵事務官作成の証明書(検甲2号)

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲5号)

一  大蔵事務官作成の査察官調査書(検甲14号)

同第三の事実

一  大蔵事務官作成の証明書(検甲3号)

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲6号)

(法令の適用)

判示各事実 所得税法二三八条

刑種の選択 懲役・罰金刑

併合罪の処理 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項(犯情の最も重い判示第二の罪の懲役刑に法定加重・合算)

労役場留置 同法一八条

刑の執行猶予 同法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 金田智行)

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